配達や戸別訪問などを通じて,日ごろから住民の皆様と接する機会の多い金融や保険,郵便,新聞販売など7つの業界の方々(事業所数は716)と,新たに「茨城県における地域の見守り活動に関する協定」を締結した。これにより,見守り活動を実施してくださる団体等は
29(事業所数は2,647)となった。
現在,一人暮らしや認知症の高齢者の増加,地域における人間関係の希薄化などを背景に,いわゆる「孤立死」が社会問題となっており,そうした方々を地域社会から孤立させず安全に暮らせるよう見守ることが重要になっている。
県内37市町村においてもこのような見守り協定を締結するなど,地域における見守り活動が大きな広がりを見せており,大変心強い限りである。
引き続き,一人暮らしの高齢者等の見守りや孤立死の未然防止に向けた取組みを通じて,地域住民の安全・安心な暮らしを実現できるよう努めていきたい。
県政全般にわたる幅広い意見や提言をいただくため,いばらき創り1000人委員会の提言集会を開催した。
今年は,1000人委員会のうち「明日の地域づくり委員会」の皆さんから,県北,県央,鹿行,県南,県西の県内5つの地域ごとに,「医療・福祉」,「生活・環境」,「教育・文化」,「産業・基盤整備」などの分野について203項目の提言が発表された。
これらの提言は,明日の地域づくり委員の皆さんが約2年がかりで現地研修や検討会など活発に活動された成果であり,できる限り具現化していきたいと考えている。こうした取組みをはじめ,今後とも,県民の皆様のご意見を積極的に伺い,県政に反映していきたい。
筑波大学の山海嘉之教授が創設しCEOを務めるサイバーダイン社が,県庁において,ロボットスーツ「HAL」のデモンストレーションを行ってくれた。
「HAL」は,装着者が身体を動かそうとする時に脳から身体に流れる生体電位信号を皮膚に貼ったセンサーで読み取り,モーターで筋肉の動きをアシストするものだ。
これまでは,下肢に障害がある方などの治療に用いられる医療用タイプが主であり,欧州においては医療機器の認証(CEマーク)を取得し,ドイツでは公的労災保険の適用を受け病院への導入が進んでいる。
今回は,介護や作業の現場などにおける腰に負担がかかる作業用に開発された腰補助タイプのものを紹介いただいた。腰への負担がおよそ40%軽減されるとのことであり,私も実際に20kgの水の入ったポリタンクを持ち上げる体験をさせてもらったところ,重い物を持ち上げるときでも大変楽に感じられた。
生活支援を含むサービス分野ロボットの将来的な市場規模は約5兆円と試算されており,資源を持たない我が国が世界の中で確固たる地位を維持していくためにも,こうした本県の科学技術の集積を活かした新産業が数多く育っていくことを期待している。
県内の経済4団体(経営者協会,商工会議所連合会,商工会連合会,中小企業団体中央会)に対し,新規学卒者の採用枠の拡大と障害者雇用の促進などを要請した。
本県の雇用情勢は,平成26年3月以降の有効求人倍率が1倍を超えるなど改善が進んでいるが,業種別には,医療・介護・建築の分野では人手不足である一方,一般事務職などはなお厳しい状況である。さらに,海外景気の下振れリスクも懸念されるなど経済情勢も改善されておらず,新規学卒者などの就職決定に向けてはまだまだ予断を許さない状況にある。
また,障害者雇用については,民間企業の法定雇用率が平成25年度から
2.0%に引き上げられ,一層積極的な取組みが求められている。
県としても,国と歩調を合わせて経済対策に積極的に取り組み,景気の好循環実現,雇用情勢の改善に努めてまいりたい。県内企業の皆様にも一層のご努力をお願いしたい。
水郡線全線開通80周年を記念して,JR東日本と水郡線沿線市町と連携し,「SL奥久慈清流ライン号」を運行した。
水郡線でのSL運行は平成24年以来2年ぶりで,今回は12月5日から7日の3日間,C61形蒸気機関車が1日1往復運行され,関連イベントを含め沿線には18万5千人の人出があった。
私も,5日に水戸駅での出発式の後,常陸大子駅まで乗車し,楽しいひとときを過ごした。
大子町到着後も,古民家を活用した「daigo café(ダイゴ カフェ)」において地域おこし協力隊5名の皆さんと意見交換を行ったり,SL運行に合わせて開設された「奥久慈清流ラインマルシェ」や奥久慈茶の里公園内の和紙人形美術館,袋田の滝のライトアップ「大子来人(ダイゴライト)」などの視察を行った。
SL運行などを契機に,多くの方々に豊かな自然や様々な観光資源などを実感していただき,今後,大子町をはじめ県北地域の活性化につながっていくことを期待したい。
障害を持つ方々による音楽・演劇等の発表や絵画等制作作品の展示を通じて,障害者に対する県民の理解を深めてもらうことを目的に,県障害者スポーツ文化協会などと共催で,ナイスハートふれあいフェスティバル2014を開催した。
今年は,「元気いっぱい!笑顔いっぱい!ハートいっぱい!いばらき」をスローガンに,10団体216人による音楽や演劇の発表,総勢813人による絵画,彫刻,陶芸,書道など美術作品527点の展示に加え,手芸作品や農産物の販売なども行われ,5日間で約5,000人もの方が訪れるなど大変盛況だった。
また,株式会社ADEKA鹿島工場からは,冷凍ケーキ3,000個を寄贈いただいた。これは,平成6年に初めて,そして平成15年以降は毎年寄贈いただいているもので,来場者から大変好評をいただいている。
今後とも,障害のある方々の自立と社会参加促進に向け,精一杯取り組んで行きたい。
(写真:株式会社ADEKA鹿島工場長と)