タイ王室ゆかりのメーファールアン財団と笠間市が,タイと日本及び両国国民の友好を促進するため,陶芸における協力関係を強化していくこととなり,陶炎祭(ひまつり)の開会式に続いて行われた覚書の締結式に出席した。財団の事務総長であるディスナダ・ディスクル殿下と山口伸樹市長が覚書に署名,その後,立会人の私を加えた三人で証書に署名した。
財団は,麻薬栽培撲滅のため,コーヒー豆等への作物転換や陶器生産への代替産業化などにより,貧困層の生活向上を支援してきた。殿下は,保健医療分野での開発途上国への支援でもご活躍されている,(公財)茨城国際親善厚生財団の多田正毅理事長とのご縁をきっかけに,本県とも関係を深めてきていただいている。
覚書により,財団と市は今後,陶芸技術者の育成支援・相互交流や,陶芸産地の強化などを進めていくこととなる。県としても,来年度開校する陶芸大学校の活用などにより,精一杯協力してまいりたい。
(写真:ディスクル殿下ご夫妻(中央のお二人)と)
大子町にある「袋田の滝及び生瀬滝」の本年3月の国名勝指定を受けて開かれた記念式典に出席した。
県内の国名勝指定は水戸市にある常磐公園(大正11年),桜川市にある桜川(サクラ)(大正13年)に次いで3件目,実に91年振りであり,大変うれしく思っている。
大子町を含む県北地域は急速に人口減少や高齢化が進む一方,日本三名瀑のひとつであるこの袋田の滝をはじめ,外大野(そとおおの)のシダレザクラ,大子広域公園オートキャンプ場グリンヴィラ,大子漆や大子硯,奥久慈しゃもなどの優れた地域資源を有する。今後,この地域が活力を維持していくには,こうした資源をさらに効果的に活用して魅力を高め,定住人口の確保や交流人口の拡大を図っていくことが重要だ。県としても,国際アートフェスティバルの開催や体験型教育・研修旅行の誘致,アウトドアスポーツの魅力発信,二地域居住の推進などを通じ,積極的に支援してまいりたい。
(写真:(上)袋田の滝,(下)生瀬滝)
東日本大震災の集中復興期間が今年度末で終了することを踏まえ,平成28年度以降の復興財源の確保について,竹下亘復興大臣に要望を行った。
私からは,復興が完了するまで復興交付金などの制度を継続し地方負担がゼロとなるよう必要な予算を確保すること,被災者支援や風評被害対策などへの財政支援を継続すること,特に,茨城県は被災県であることを忘れられがちであるため,本県の被害状況を再認識いただき東北の被災県と同様の支援措置とすることなどを強く申し上げた。
竹下大臣からは,「液状化対策や高台移転事業など復興における基幹的事業は国としてしっかりやっていく。一方で,復興に関連の度合いが薄い事業については一部自己負担を求めていくが,市町村の財政規模などにも配慮しながら決めていきたい。」との発言があった。
国には,被災地の状況を十分にご理解いただき,復旧・復興事業が停滞することがないよう,しっかりと対応してもらいたい。
土浦市・つくば市間の桜川に架かるさくら大橋を含む県道藤沢荒川沖線バイパス1.8km区間が開通した。
この路線は,土浦市とつくば市を結び,防災拠点であるつくばヘリポートへのアクセス道路としても重要な道路だが,現道は幅員が狭く歩道未設置の箇所があるなど円滑な交通に支障をきたしていた。
このバイパスが開通することにより,常磐道土浦北ICと研究学園地区間のアクセスが飛躍的に向上し,土浦市・つくば市のさらなる発展に大きく寄与するものと考えている。また,研究学園地区からは,筑波山周辺地域はもとより,朝日トンネルを経由し石岡市八郷地区や笠間市方面にも行きやすくなるなど,広域的な交流の拡大にも貢献するものだ。
今後も,広域交通ネットワークの充実を図るとともに,県民の日常生活を支える生活道路などのインフラ整備も積極的に進めてまいりたい。
日本原子力研究開発機構の新本部となる総合管理棟の完成記念式に出席した。
同機構では,旧本部が東日本大震災の際にインフラ機能の停止や機材倒壊等で緊急時対策所として一時的に使えなかったことから,新たに耐震性の高い施設を建設したものだ。
同機構は,県内では,東海村における先端的な基礎科学の研究をはじめ,大洗町における安全性に優れた次世代原子炉の研究開発や,那珂市における核融合エネルギーの研究など,日本をリードする様々な原子力技術の研究開発を進めている。また,高エネルギー加速器研究機構との共同によるJ-PARCの運営や,筑波大学・県等との共同によるBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の開発実用化などにも取り組んでいる。
今後も安全を最優先としながら研究開発を進めていただき,素晴らしい成果を上げられることを心から期待している。
ひたち医療センター新棟竣工式に出席した。
同センターの前身の秦病院は昭和38年に開院し,病院群輪番制病院として二次救急医療機能を備え,日立保健医療圏の中核を担ってきた。
しかし,東日本大震災で施設に甚大な被害が生じたことから,県は地域医療再生基金などを活用して復旧の支援をしてきたが,この度新棟の竣工を迎えられたものだ。
一方,同病院は,昭和大学との連携の下に,平成24年以降,人材交流や臨床研修などを強化し,さらに平成25年には,救急医療の実績などを評価され,より公益性の高い医療機関として県内初の社会医療法人に認定されるなど,本県の地域医療の充実に貢献されてきた。(認定を機に,名称を秦病院からひたち医療センターに変更)
新施設は高度な治療室,機器等も備えており,今後さらに,県北地域の医療ニーズに応えられる病院として発展していくことを期待している。
水戸市にある(有)サワラスポーツの佐原金二社長から,「リハビリ機能が付いた車椅子専用卓球台」を,県立医療大学付属病院や子ども病院,県立特別支援学校などの県立施設に寄贈いただけることとなり,感謝状を贈呈しお礼を申し上げた。
車椅子での卓球には相当の腕前が必要という。この車椅子専用卓球台は,ボールが台の外に飛び出さないよう全体をネットで覆ったり,球拾いが不要となるよう台にボールが一か所に集まる傾斜をつけるなどの工夫がされている。
老人福祉施設や医療施設などから,リハビリや健康維持を目的に車椅子を利用しながら手軽に卓球が楽しめる卓球台ができないか,と依頼されたことが開発のきっかけという。開発に当たっては,いばらき産業大県創造基金を活用し,筑波大学や県工業技術センターからの技術的支援も得て完成に至ったとのことだ。
これからも企業の創意工夫をしっかりと応援していきたい。